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谷研のよもやま話~第8回~

皆さんこんにちは!

 

株式会社谷研、更新担当の富山です。

 

 

研磨加工の鉄則とは?

~見た目だけじゃない、機能と信頼を磨くために~


前回は「研磨加工の歴史」についてご紹介しましたが、今回はもっと実践的な内容――**“研磨加工の現場で守るべき鉄則”**についてお話しします。

研磨は、表面をただツルツルにすればよいわけではありません。仕上がりの品質、安全性、そしてお客様の要求を確実に満たすために、守るべきルールと考え方があります。


✅ 鉄則①:素材を理解することから始めよ

 

研磨は“どの材料を、どんな目的で、どの程度磨くか”によって、やり方がまったく違います。

  • アルミは柔らかくて熱を持ちやすい → 低圧・高回転で

  • ステンレスは目が詰まりやすい → ペーパー交換の頻度を高く

  • セラミックは割れやすい → 常に振動と共振を避けて加工

どれだけ熟練していても、**素材の性質を無視した加工は“失敗の元”**です。


✅ 鉄則②:磨きすぎない、がプロの技

 

「もっと磨けばもっとキレイに」
そう思ってしまいがちですが、必要以上の研磨はかえって製品の寸法精度や表面状態を壊してしまうことがあります。

研磨は「削る」ことでもあるため、
✔ 設計公差のギリギリを攻めること
✔ 指定された表面粗さ(Ra値)を守ること
✔ 見た目よりも「機能性重視」の判断をすること
が非常に重要です。


✅ 鉄則③:工具の管理は品質の管理

 

研磨機や砥石、バフ、コンパウンドなどの道具の状態がそのまま仕上がりに影響します。
たとえば、

  • 砥石が摩耗している → 切削力が弱くなり、加工ムラが出る

  • バフが汚れている → 異物混入や表面傷の原因に

  • ペーパーの番手を誤る → 指定Raが出ない

毎日の点検・清掃・交換を習慣化することが、製品の安定品質と顧客満足に直結します。


✅ 鉄則④:“見えない品質”を大切に

 

研磨後の製品は、「見た目はピカピカだけど、中が歪んでいる」などの**“隠れ不良”**が発生することもあります。

そこで私たちは、

  • 平面度・寸法・厚みを定規・マイクロメーター・ゲージなどで細かくチェック

  • 特に重要部位は測定器や検査機を用いて第三者確認

  • お客様との仕様打ち合わせは加工前から徹底してすり合わせ

「見た目」だけではなく、「測ってわかる精度」を重視することが、“信頼を磨く”ことに繋がります。


✅ 鉄則⑤:安全なくして品質なし

 

研磨は地味な作業に見えるかもしれませんが、高速回転する工具・熱・粉塵・騒音など、リスクが多い作業でもあります。

  • 作業中は必ず保護メガネ・防塵マスク・手袋を着用

  • 機械のブレ、振動、異音はすぐ停止・点検

  • 切削くずや研磨剤はその都度しっかり除去

品質を守るには、まず安全が守られていることが前提です。事故ゼロの現場が、信頼される工場の証でもあります。


まとめ

 

研磨加工とは、ただ「磨く」だけではありません。
それは素材を理解し、目的に応じて、精度と品質をコントロールする技術
そして、お客様の信頼を“かたち”にする仕事です。

私たちはこの「磨く」という行為に、技術と情熱と責任を込めて、日々ものづくりと向き合っています。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

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