オフィシャルブログ

月別アーカイブ: 2025年10月

谷研のよもやま話~第17回~

皆さんこんにちは!

 

大阪府和泉市を拠点に研磨加工などを主に行っている

株式会社谷研、更新担当の富山です。

 

 

 

バフ研磨 ― 鏡のような輝きを作る“最終の職人技”

 

 


バフ研磨とは?

 

バフ研磨(Buffing)とは、布やフェルトでできた「バフ」に研磨剤を付け、
金属表面を磨き上げて光沢を出す仕上げ工程のこと。
削るというより、“磨いて艶を出す”のが目的です。

製造現場では、ステンレス・真鍮・アルミなど、あらゆる金属製品に使われ、
ステンレスシンク、金属フレーム、装飾金具などの光沢仕上げには欠かせません。


⚙️ バフの種類と特徴

 

種類 材質 特徴 主な用途
布バフ 綿・麻など 一般的で扱いやすく、万能タイプ ステンレス・真鍮・アルミ
フェルトバフ 羊毛フェルト 目が詰まっており、繊細な光沢仕上げに最適 鏡面仕上げ・メッキ前処理
不織布バフ ナイロン繊維 キズをつけずに均一な仕上がり ヘアラインやつや消し仕上げ
シスルバフ 繊維質が硬い 粗研磨に向く サビ落としや初期整形

 

バフは用途に応じて使い分けるのが基本。
粗い目で下地を整え、柔らかいバフで最終仕上げへと段階を踏みます。


研磨剤の種類

 

バフに付ける研磨剤(コンパウンド)にも種類があります。
一般的には棒状の研磨剤をバフの回転で擦り付けながら使用します。

研磨剤名 粒度 特徴
青棒 細目 ステンレスや鉄に最適。仕上げ用。
白棒 極細目 鏡面仕上げ用。最終仕上げに使用。
緑棒 中目 アルミや真鍮など柔らかい金属向け。
茶棒 荒目 サビや焼け取りなどの下地研磨に使用。

 

バフと研磨剤の組み合わせで、
「マット仕上げ」「鏡面仕上げ」「光沢仕上げ」など、さまざまな表情を作ることができます。


バフ研磨の手順

 

  1. 下地処理
     #240〜#600程度の研磨布でキズや酸化膜を除去し、表面を平滑にします。
     この段階を丁寧に行うほど、仕上げのツヤが美しくなります。

  2. 粗バフ研磨(一次仕上げ)
     シスルバフ+茶棒などで表面を整え、光沢を出す準備をします。

  3. 中仕上げ(光沢出し)
     布バフ+青棒を使用し、表面を均一に磨きます。
     指で触れるとツルツルし始め、光を反射するようになります。

  4. 最終仕上げ(鏡面研磨)
     フェルトバフ+白棒で微細なキズを完全に除去。
     まるで鏡のように、顔が映り込むほどの光沢が得られます。


⚠️ 作業時の注意点

 

  • バフの回転数は3,000〜6,000rpm程度が目安。高速すぎると焼き付きや変色の原因に。

  • 一箇所に当てすぎず、常に動かして均一に磨く。

  • 表面に研磨剤が焼き付いたら、柔らかい布で拭き取り再度軽くバフを当てる。

  • ステンレスなどは摩擦熱に弱いため、途中で冷却を挟むと変色防止になる。


プロが意識する“光の角度”

 

バフ研磨は、光沢を出すだけではなく、「光をどう反射させるか」まで意識する仕事です。
特に鏡面仕上げでは、磨き方向を一定に保ち、反射の乱れを最小限にすることがポイント。
少しの角度のズレやキズの方向が、仕上がりの印象を大きく左右します。


✨ まとめ ― バフ研磨は“職人の最終工程”

 

工程 使用道具 目的
粗研磨 シスルバフ+茶棒 表面の整形・酸化除去
中仕上げ 布バフ+青棒 均一な光沢を出す
最終仕上げ フェルトバフ+白棒 鏡面・光沢仕上げ

 

ひとことで言えば…

バフ研磨は“削る”ではなく“魅せる”技術。
光の映り込みまで計算された、究極の仕上げ工程です。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

株式会社谷研では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

大阪府和泉市を拠点に研磨加工などを主に行っております。

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

 

 

 

詳しくはこちらから!

 

apple-touch-icon.png

谷研のよもやま話~第16回~

皆さんこんにちは!

 

大阪府和泉市を拠点に研磨加工などを主に行っている

株式会社谷研、更新担当の富山です。

 

 

 

研磨布(サンドペーパー)の番手 ― 粒度で変わる仕上がりの世界

 

 

 


サンドペーパーとは?

 

サンドペーパー(研磨布・研磨紙)は、表面に研磨粒子を均一に貼り付けたシート状の工具です。
木材・金属・樹脂など、さまざまな素材の「表面を削る・整える・仕上げる」ために使われ、
加工現場やDIYの基本中の基本といえる存在です。

紙(ペーパー)タイプだけでなく、布を基材とした研磨布もあり、金属加工やパイプ研磨の現場では
こちらが主流。布地の強度が高く、曲面や狭い箇所にも柔軟に対応できるため、作業性に優れています。


番手とは? ― 数字でわかる“粗さの目安”

 

研磨布の「番手(ばんて)」とは、研磨粒子の大きさ(粒度)を示す数字のこと。
数字が小さいほど粒が大きく、荒削りに向きます。
反対に、数字が大きいほど粒が細かく、仕上げや鏡面前の整えに適します。

粒度のイメージ

用途 番手 特徴
荒削り・サビ落とし #40〜#120 粒が大きく、削る力が強い。表面がザラつく。
中仕上げ・整形 #180〜#400 目が細かくなり、表面が均一に整う。
仕上げ・下地処理 #600〜#1000 細かなキズを消し、艶が出始める。
鏡面・最終研磨 #1500〜#3000 指で触っても滑らか。ツヤが際立つ。

⚙️ 目的別の使い分け

 

① 金属のサビ落とし・塗装剥がし

 

鉄やステンレスの表面にこびりついたサビ、塗装膜を落とす場合は**#60〜#120**程度が最適。
削る力が強く、短時間で表面を均すことができます。

ただし、削り跡が深く残るため、そのままでは光沢が出ません。
その後の中〜細目研磨で表面を整えるのがポイントです。


② 下地処理・中仕上げ

 

金属溶接後の焼け取りや段差整形、塗装前の下地づくりなどには**#240〜#400**を使用。
削りすぎず、均一に表面を整えることができ、バフ研磨や塗装への準備段階として最も重要です。


③ 鏡面仕上げ・最終研磨

 

最終段階では**#800〜#2000以上**の超細目を使用します。
この段階で削るというより、「磨く」イメージに近く、微細なキズを滑らかにする工程です。
鏡面を目指す場合、#1500→#2000→バフ研磨という流れが一般的。


研磨布の種類と特徴

 

種類 特徴 主な用途
アルミナ研磨布 汎用性が高くコスパも良い 鉄・ステンレス・木材全般
シリコンカーバイド 硬くて切削力が高い ステンレス・銅・アルミなど非鉄金属
ジルコニア系 耐久性に優れ、長時間作業向き 重研削・バリ取り
不織布タイプ キズをつけずに仕上げ可能 ヘアライン処理・艶出し

作業のコツ

 

  • 同じ番手で一方向に研磨し、次の番手では直交方向に動かすとムラが出にくい。

  • 目詰まりした研磨布は、ワイヤーブラシなどで軽く掃除して再利用可能。

  • 手磨きのほか、サンダーやグラインダーに取り付けて効率化もできる。


まとめ ― 番手選びが“仕上がり”を決める

 

目的 推奨番手 仕上がりイメージ
サビ・塗装剥がし #60〜#120 荒目で一気に削る
下地整形 #240〜#400 均一でなめらか
最終仕上げ #800〜#2000 鏡のようなツヤ

 

ひとことで言えば…

サンドペーパーは「番手の選び方」が9割。
適材適所で選ぶことで、表面品質が格段に変わります。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

株式会社谷研では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

大阪府和泉市を拠点に研磨加工などを主に行っております。

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

 

 

 

詳しくはこちらから!

 

apple-touch-icon.png