オフィシャルブログ

谷研のよもやま話~第17回~

皆さんこんにちは!

 

大阪府和泉市を拠点に研磨加工などを主に行っている

株式会社谷研、更新担当の富山です。

 

 

 

バフ研磨 ― 鏡のような輝きを作る“最終の職人技”

 

 


バフ研磨とは?

 

バフ研磨(Buffing)とは、布やフェルトでできた「バフ」に研磨剤を付け、
金属表面を磨き上げて光沢を出す仕上げ工程のこと。
削るというより、“磨いて艶を出す”のが目的です。

製造現場では、ステンレス・真鍮・アルミなど、あらゆる金属製品に使われ、
ステンレスシンク、金属フレーム、装飾金具などの光沢仕上げには欠かせません。


⚙️ バフの種類と特徴

 

種類 材質 特徴 主な用途
布バフ 綿・麻など 一般的で扱いやすく、万能タイプ ステンレス・真鍮・アルミ
フェルトバフ 羊毛フェルト 目が詰まっており、繊細な光沢仕上げに最適 鏡面仕上げ・メッキ前処理
不織布バフ ナイロン繊維 キズをつけずに均一な仕上がり ヘアラインやつや消し仕上げ
シスルバフ 繊維質が硬い 粗研磨に向く サビ落としや初期整形

 

バフは用途に応じて使い分けるのが基本。
粗い目で下地を整え、柔らかいバフで最終仕上げへと段階を踏みます。


研磨剤の種類

 

バフに付ける研磨剤(コンパウンド)にも種類があります。
一般的には棒状の研磨剤をバフの回転で擦り付けながら使用します。

研磨剤名 粒度 特徴
青棒 細目 ステンレスや鉄に最適。仕上げ用。
白棒 極細目 鏡面仕上げ用。最終仕上げに使用。
緑棒 中目 アルミや真鍮など柔らかい金属向け。
茶棒 荒目 サビや焼け取りなどの下地研磨に使用。

 

バフと研磨剤の組み合わせで、
「マット仕上げ」「鏡面仕上げ」「光沢仕上げ」など、さまざまな表情を作ることができます。


バフ研磨の手順

 

  1. 下地処理
     #240〜#600程度の研磨布でキズや酸化膜を除去し、表面を平滑にします。
     この段階を丁寧に行うほど、仕上げのツヤが美しくなります。

  2. 粗バフ研磨(一次仕上げ)
     シスルバフ+茶棒などで表面を整え、光沢を出す準備をします。

  3. 中仕上げ(光沢出し)
     布バフ+青棒を使用し、表面を均一に磨きます。
     指で触れるとツルツルし始め、光を反射するようになります。

  4. 最終仕上げ(鏡面研磨)
     フェルトバフ+白棒で微細なキズを完全に除去。
     まるで鏡のように、顔が映り込むほどの光沢が得られます。


⚠️ 作業時の注意点

 

  • バフの回転数は3,000〜6,000rpm程度が目安。高速すぎると焼き付きや変色の原因に。

  • 一箇所に当てすぎず、常に動かして均一に磨く。

  • 表面に研磨剤が焼き付いたら、柔らかい布で拭き取り再度軽くバフを当てる。

  • ステンレスなどは摩擦熱に弱いため、途中で冷却を挟むと変色防止になる。


プロが意識する“光の角度”

 

バフ研磨は、光沢を出すだけではなく、「光をどう反射させるか」まで意識する仕事です。
特に鏡面仕上げでは、磨き方向を一定に保ち、反射の乱れを最小限にすることがポイント。
少しの角度のズレやキズの方向が、仕上がりの印象を大きく左右します。


✨ まとめ ― バフ研磨は“職人の最終工程”

 

工程 使用道具 目的
粗研磨 シスルバフ+茶棒 表面の整形・酸化除去
中仕上げ 布バフ+青棒 均一な光沢を出す
最終仕上げ フェルトバフ+白棒 鏡面・光沢仕上げ

 

ひとことで言えば…

バフ研磨は“削る”ではなく“魅せる”技術。
光の映り込みまで計算された、究極の仕上げ工程です。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

株式会社谷研では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

大阪府和泉市を拠点に研磨加工などを主に行っております。

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

 

 

 

詳しくはこちらから!

 

apple-touch-icon.png